2014年11月07日

扇子と記念撮影

A:座布団
B:扇子

A:おい、扇子よ。
B:お?なんだい座布団の旦那。
A:ほら、そこの壁に新しく掛けられた写真に写っているのは、扇子のお前さんじゃないのかい?
B:おぉ、そうそう。あの写真はこの間の休日に、落語家がひとりでお台場に出掛けたときにスマホで撮った写真だよ。
A:なるほど。しかしどうして落語家は自分じゃなくて、扇子のお前さんを写しているんだい?
B:扇子のオレの後ろに写っているフジテレビの社屋が見えるだろ?
A:ああ、見えるね。あの球体はやっぱり特徴的だよな。
B:落語家は最初、自分とアレを一緒に写真に収めたかったようだよ。いわゆる自撮りってやつらしい。だが落語家は何度やってもうまくいかない。道行く人に頼めばそれで済む話なのに、恥ずかしいのかなんなのか、それも出来ず。
A:なるほど。それで結局、自分で自分を撮るのは諦めて扇子のお前さんとフジテレビの社屋を一緒に撮影したってわけだな?
B:そういうことだ。
A:ふ~ん。やっぱり扇子ってのはどこでも持ち歩いてもらえて羨ましいねぇ。
B:オレにしてみりゃ、外に連れて行かれるよりはこうして座布団の旦那とダラダラと話をしているほうが楽しいんだけれどね。
A:お、嬉しいことを言ってくれるねぇ、扇子のお前さん。
B:あ、そうだ。この話には後日談があってね。実は落語家が持っているスマホは、背面とは別に画面側にもカメラレンズが付いていたんだそうだよ。だから画面で自分の顔や背景を確認しながら写真を撮ることも実は出来たってわけだ。扇子のオレを身代わりにしなくともな。
A:ははは。落語家はそれを帰ってきてから知ったんだな?
B:そういことだよ。



Posted by のぼるん27 at 14:45│Comments(0)
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